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ネオアンチゲン

その背景となるのは

がん免疫療法は、体内にある自己の免疫システムを刺激してがん細胞を排除する治療法です。この10年、がん免疫療法は目覚ましい効果を示してきました。特に、CTLA-4およびPD-1/PDL1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤の成功により、がんの免疫療法の道が開かれました。最近では、「ネオアンチゲン」と呼ばれる新しいがん免疫療法の標的が注目されています。がん細胞では、細胞の設計図であるゲノムに変異が起こることで、タンパク質が変異した状態で発現することがあります。この変異したタンパク質の一部がネオアンチゲンとして自己の免疫システムに認識されます。これらのネオアンチゲンは強い免疫応答を誘導する可能性があることから、有望な標的として注目されることになりました。現在、ネオアンチゲンを含むワクチンを用いて免疫反応を誘導する臨床試験が、さまざまな固形がんを対象に実施されています。

その背景となるのは

ネオアンチゲンとは何か?

ネオアンチゲンは、がん細胞のゲノム変異により生成される抗原です。多くのネオアンチゲンは、がん細胞のDNAにミスセンス変異が発生することで生じます。ネオアンチゲンは、機能不全のRNAスプライシングや、がんにおける異常な翻訳後修飾によって生成されるタンパク質やペプチドからも派生します。がん-精巣抗原(CTAs)や腫瘍関連抗原(TAAs)など、他のタイプの腫瘍抗原と比較して、ネオアンチゲンは腫瘍に特異的で正常組織には存在しないため、個別化治療に理想的なターゲットとなります。

ネオアンチゲンとは何か?

ネオアンチゲンを標的とする免疫療法の課題

現在広く用いられているネオアンチゲン予測手法の多くは、候補のネオアンチゲンとHLAとの結合親和性のみを考慮し、標的となるネオアンチゲンを予測します。しかし、免疫原性の高いネオアンチゲンを得るためには、結合親和性以外のみを考慮した予測手法では不十分です。本課題を克服するため、NEC Bioは、生体における免疫システムのプロセスを再現し、様々なパラメーターを用いてネオアンチゲン予測をする手法を開発しました。

ネオアンチゲンを標的とする免疫療法の課題